大袈裟だけど帰ってこれてよかった。
やっぱり冬山は油断できない。
朝起きるとテントの外はパラパラと雪だった。空も灰色。うーん。
去年撤退した時と全く同じ感じの天候。
今回は予報をスマホで見る限り、この後段々と良くなる予定。
下山途中、晴れた空を見て後悔したくないしなぁ。
朝5時20分予定通り出発。
計画では急な地蔵尾根を上りに使って山頂を経由して文三郎尾根を下る。
天候が悪化したらすぐ撤退のはずだった。
赤岳鉱泉小屋には150人泊まっていたはずだが自分たちの前に5人PTがいるだけだった。
後発に甘えてトレースをいただき、稜線に出る。
気温およそマイナス10℃ 。突風でまつ毛が白く凍る。
休憩する5人PTと話をして予報は変わり、この後天候はさらに悪化するという事実を知る。
地蔵尾根を振り返るも、降り続く雪でトレースはあっという間に消えていた。
もう引き返せない。
時間は倍かかるが5人PTと同じく山頂経由で傾斜の緩い文三郎尾根を下りることにした。
エスケープという名の山頂到着。
リニューアルしたらしい赤岳の標識も凍りついてなんだかよくわからない。
山頂滞在時間3分程。
一刻も早く下山したかった。
山頂から先はなんとかなるだろうと休憩中の5人PTより先に降り始める。
しかし20分程進んでスマホのGPSを確認。ルートに乗っていないことに気づく。
天候はさらに悪化して視界は数メートル。ほぼホワイトアウト。
スマホのバッテリーも残り数パーセント。
色々助けてくれた5人PTはもう降りてしまっただろう。
極寒の地で背筋が凍りつく。
これはやってしまったか・・・
相談した挙句、とりあえず山頂に登り返すことに。
しかし山頂間際で再び5人PTと遭遇。
降り口をちょっと迷っていたらしい。
人の声を聞いてほっとする。
お互いルート確認をして、結局さっきの道で正しかったことを知る。
間違いの原因はルートを山と高原地図の詳細地図で見ないで広域地図で見ていたことだった。
完全に吹雪に。
樹林帯まで後少し。
樹林帯に逃げ込み煙草を貪るKBとWさん。
さぞうまかったであろう。
行者小屋で5人PTにお礼を言う。
一人の男性はなんと78歳であった。
しかし今回は一つ間違えば遭難だった。
山頂に登り返した時、5人PTと会えなかったら間違った降り口を降りていた可能性があった。そしてその間違いに気付いた頃にはもう体力が残ってないだろう。
天気予報をあてにせず(特にて○きとく○す)自分の目で見て判断すること。
仮にチャレンジするならビバークになっても充分対応できる装備を持つこと。
地図の確認は慌てず確実にetc..
改めて勉強になった山行でした。
Petzl Ride 240g
多分バックカントリーを想定した簡易アックス。
岩と雪が混ざる環境でも充分使えました。
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