大峰奥駈道 Day5

2017.4/27~5/2 大峯奥駈道五日目 四日目はこちら


行程も残り半分を切りさらに強まる走破への憧憬。
しかし、気持ちに反して落ちていくフィジカル。
変動の五日目。


四日目は半日オフにしてしかも小屋泊。
遅れを取り返すべく、そのアドバンテージを生かしたい。
今回一番早い4時15分、持経の宿を出発。


しかし、KRさんはリカバリーできなかったようだ。
前日見せてもらった足の甲の異常な腫れも気になる。
ここまで疲労を貯めると正直ちょっとやそっと休んだとしても回復できないのかもしれない。

朝一にゆっくり進むから先に行ってくれと言われたが
まだまだ一緒に走破可能な圏内にいるし、何より危険箇所が残っている。
時折ハッパをかけながら進む。


標高が下がってきたからか、この付近からヤマツツジが咲いているのを見かけるようになった。


9時頃、行仙の宿に到着。


こちらにも管理されている山彦グループの方がいた。
ゆっくり休んで行きなさいと温かいコーヒーを入れてくださった。


小さい看板だが、そこには初めて見る『本宮』の二文字が。
いよいよその圏内に入ってきたのか。
テンションが大きく上がる。


KRさんはさらに調子が悪化。
笠捨山は奥駈道の重要箇所で巻いてはならないみたいだったが体調が優先、やむなく巻くことに。

しかし巻道でコースタイムの二倍かかるところまでペースは落ちた。
 待つ時間が増える。

ペースを上げたい気持ちで焦りが生まれる。


今回の縦走日程は予定通りだと五月二日に本宮に到着、一泊して三日に帰京。

自分の予備日は次の日の四日しかないが、KRさんは七日くらいまで引っ張れるようだった。
行仙の宿での休憩中、3度目の同じ提案をされた。

「ゆっくり行くから先に行って欲しい。」

僕に迷惑をかけたくない気持ちと、強行軍での山行から解放されたい気持ちを強く感じる。

この先、危険箇所と言われている所は地蔵岳の鎖場のみ。
そこまで行って場合によっては決断しなければと思った。
一緒に走破するという目標は諦めなければいけない場面を迎えたのだろうか。


最後の悪所である地蔵岳は危険マーク通りの急な鎖場の連続。
低山の午後帯ということもあり、暑さで汗が噴き出す。


14時過ぎ、地蔵岳山頂を通過。


山頂を越えると地蔵岳の核心であろう6mほどの垂直下降。
危険度は全行程通してNO.1だと思う。
鎖が二つ付いており、まずは細い方の鎖でザックを下ろす。


その後太い鎖で降りるのだが、ここはさすがに怖かった。
登山三回目にも関わらずこんなところを下降しているKRさん。

奥駈道は初心者には厳しすぎる山だった。
無謀な計画だったのかもしれない。


40分のコースタイムを1時間半かけてクリア。
鎖場でアドレナリンと体力を出し切ったKRさんの足が完全止まった 。
東屋山山頂でバタンと倒れこむ。
 ここまでのようだった。
 
KRさんはここで休憩をして、場合によってはそのままテントを張ると言う。
山で一番やってはいけないことは無理をすることだ。
正しい選択だと思った。
水は地蔵岳手前の水場で汲んで3L以上あるし問題ないだろう。

15時過ぎ、ここから先はそれぞれのペースでゴールを目指そうと握手をして別れた。


自分はとりあえず21世紀の森森林植物公園まで進むことにした。
その公園はここから2時間半ほど進み、一旦奥駈道から30分ほど外れたところにある。
水場もあるし、何といっても自販機があるらしい。
コーラが飲みたい。
その一心で駆け下りる。


午後18時前に到着、設営。
しかし公園は16時半で閉園していた。
自販機は閉鎖された建物の中、コーラにはありつけず・・・泣


ところが弥山小屋で買って担いで来たビールがザックの中に一本残っていた。
ぬるいけど美味い。
偉いぞ俺!

夕食は畑のカレーシリーズのひきわり豆のトマトカレーととん汁。
疲れは溜まって来ているけど相変わらず体調はよく、特に痛めた箇所もなし。
天気予報も相変わらずよし。

ちょっと長いが明日一日でゴールまで駆け抜けよう。
そう心に決めてこれが最後になるだろうテントに潜り込んだ。

最終日へ





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